一枚板の魅力

ヒダコレ家具では、木の魅力を活かした一枚板をお届けしています。
木目や色合いなどそれぞれの木には、個性があります。
このnoteでは、ヒダコレで取扱っているいくつかの材種を、特徴や雰囲気を含めてご紹介します。
|栃(とち)
北海道南部や東北地方にたくさん生息している栃の木ですが、東海北陸地方、特に飛騨地方でもよく見られる木です。
昔から家具や器、建築材として使われてきましたが、実はもっと身近な存在でもあります。
たとえば飛騨のお土産として有名な「栃の実せんべい」や「栃餅」など、郷土の味として、暮らしの中で親しまれてきた木なんです。
木材として栃が好まれる理由のひとつが、美しく個性豊かな「杢目(もくめ)」が現れやすいこと。杢目とは、木の表面に現れる複雑な模様のことで、年輪による規則的な「木目」とは異なります。傷や風、圧力など、自然の力が加わることで生まれる模様は、木が育ってきた過程を映す“生きた証”として、それぞれの表情を楽しむことができます。
|楠(くす)
関東から九州までの暖かい地域に生息することが多い楠の木。日本では古くから親しまれてきた木で、家具材としてはもちろん、薬品やアロマの原料としても使われてきました。
製材された楠には、ほんのりと漂う「樟脳(しょうのう)」の香りがあります。この香りには防虫効果があり、箪笥などの収納家具に重宝されてきました。香りは強すぎず、空間に自然の気配をそっと添えてくれます。
木目は、波のようにゆるやかで、柔らかな線が板全体に広がります。黄褐色から淡い褐色まで、複数の色が自然に混ざり合い、木の表情に奥行きが生まれるのも楠ならではの魅力です。一枚板として使うと、空間の中で静かに、でも確かな存在感を放ちます。
|欅(けやき)
欅(けやき)は、和室の柱や玄関の框(かまち)など、格式ある場面で使われることも多く、どこか凛とした佇まいを感じさせてくれます。
古語では「槻(つき)」と呼ばれ、万葉集にも詠まれているほど、古くから日本人に親しまれてきた木でもあります。
木目ははっきりとしていて、磨くほどに美しい艶が現れるのが特徴。赤みや黄味を帯びた色合いは、空間にやさしいあたたかみを加えてくれます。見た目の力強さと、触れたときの滑らかさ、その両方を持ち合わせているのが欅の魅力です。
和のしつらえにはもちろん、最近では和モダンなインテリアを好む方にも選ばれることが増えています。
|山桜
桜は日本を象徴する木材ですが、海外では“Japanese Cherry”として知られています。欧米のチェリー材と比べると、山桜は特に繊細で、しっとりとした質感が特徴です。
桜の木は、ゆっくりと時間をかけて成長します。だからこそ、年輪は密で、木目はきめ細かく美しいのです。
色合いはほんのり赤みを帯び、繊細で奥行きのある表情を持っています。使い込むほどにその赤みは深まり、経年変化がはっきりと現れるのも桜ならではの魅力です。
春の訪れを知らせる存在として、昔から親しまれてきた桜の木。そんな木がそばにある暮らしは、どこかほっとする心地よさがありますね。
|ウォルナット
ウォルナットは、世界三大銘木のひとつとされる木材です。その美しい色合いと希少性から、世界的に高級家具材として人気の高い材種です。
紫がかった深みのあるブラウンカラーは、どこか静かな落ち着きを感じさせてくれます。木目は控えめで、すっきりとした印象。空間にそっと深みを添えてくれるような人気の材です。
金属や石材など、異素材と調和しながら空間全体に自然な統一感をもたらしてくれるのも魅力のひとつです。
木の種類によって、色合いや木目、質感はさまざま。それぞれが異なる個性を持ち、空間に独自の表情を添えてくれます。一枚板を選ぶ際のちょっとしたヒントとして、この記事がお役に立てば嬉しいです。
ヒダコレ家具では、トチ・クス・ケヤキなどの国産材を中心に、外国材のブラックウォルナット・ブラックチェリーと様々な材種、色んなサイズの一枚板を多数取り揃えています。
どれも無垢の木の温もりと唯一無二の表情を持つ「一点もの」です。個性あふれる一枚板との出会いを、どうぞ楽しんでください。